撫物語「なでこドロー」のネタバレ感想!これは千石撫子の恋物語で終物語である

       

撫物語(なでこドロー)のあらすじ!式神トンチキ回と見せかけた千石撫子の物語完結編!

また私は、誰かのことを好きになるって、約束する

(引用元:西尾維新著『撫物語』(講談社))

かつて囮物語恋物語でラスボスこと神となった千石撫子。
彼女は人間に戻った後、詐欺師のおかげで夢を持った。
漫画家になるべく、日々努力しているのである。

しかし、囮物語で、学校の教室で「ああん!?」とか言ってしまった過去は消せない。
彼女は不登校となり、日々漫画だけを書く日々を送っていたのである。
だが、それが千石撫子の両親の逆鱗に触れたッ!!

卒業したら就職しろ

恐るべきことを言われてしまい、頭を悩ませる千石撫子。
しかし、そこに頭のおかしい阿良々木家の次女の愚痴を言いに来た童女が登場する。
彼女は、「じゃあ撫公が増えればいいじゃん。」と提案する。

どんな分野でも、一流と呼ばれるような人達は、必ず一万時間以上の鍛錬を積んでいる。
それが一万時間の法則である。
一人で、卒業までにそれを実行するには千石撫子一人では到底無理だが…5人がかりなら…?

撫子と余接ならばそれができる。
自身の姿を模した式神を作り出すことができるのだ!!

しかし、余接は撫子を舐めていた。
一人成功すりゃあまあええやろの精神だった彼女は、まさかいきなり4人の式神を作れると思っていなかったのである。

そして、一癖も二癖どこどれはない癖を持つ撫子の分身たちは「逃げるんだよォー!!」と逃走である。
キャラがブレブレで、こんなやつ漫画で主人公に馴れない千石撫子。
そのブレブレだった分身を撫子は捕まえることができるのかーー!?

これは千石撫子が自分の過去と文字通り決着をつけて、未来に歩み始めるための物語であるッ!!

[monogatari]

撫物語の登場人物!「なでこドロー」の式神撫子と愉快な仲間たち

千石撫子(今撫子)

囮物語以来の本作の語り部である。
あまりにも将来が不安視される彼女は、両親から卒業したら働きに出るよう言い渡されてしまったのである。

余接と協力し、1年足らずで漫画家としての成果を見せるため、撫子を模した式神を生み出した撫子だったが、式神は全員逃げた…!!
なお、撫子そっくりの式神が4体もいてわけわからんので、余接から「今撫子」と命名された。

そして、撫子を捕まえるのは余接ではない。
全員撫子が捕まえることになる。

あの頃から明らかに勇敢になった彼女の奇妙な冒険が始まる…!!

千石撫子と愉快な式神達(ドラえもんだらけ)

撫子が描いた自画像から余接の謎の術で生み出された式神。
撫子はかつての自分を表現して式神を作成したのである。
そのため、その時の性格が基準になっている。

基準にはなっているが、所詮式神なので色々おかしいところが存在する。
なお、各々謎の式神特有の特殊能力を所持している。
捕まえるとか無理に思われるが、元が紙であるため、生みの親である撫子が紙に挟みこむことで、再び絵に戻すことが可能。
余接のアンリミテッド・ルールブックでぶっ壊せば単純に消滅させることが可能である。

なお、「やろう、ぶっころしてやる。」という凶悪なセリフでおなじみの「ドラえもんだらけ」に似てる状況であると千石撫子は分析する。分析しとる場合かーッ!!
これはのび太の宿題を、タイムマシーンで数時間前のドラえもんを連れて来てみんなでやれば解決するだろうというお話である。
しかし、何回も呼び出されるドラえもんが存在することになり、最終的に「ぶっころしてやる」となったのである。

だが、最後に撫子を上回るドラえもんヲタクに「既に宿題をやり終えてる2時間後のドラえもんだけ連れてくれば他のドラえもんいらなくね?」というめんどくさいことを言われてイラッとしている。

媚び撫子

媚び撫子とは、阿良々木家の長男を自分の可愛さを存分にアピールした頃の千石撫子である。
なんかアニメだとツイスターゲームとかしてた頃。
要するに「偽物語上巻」の頃の千石撫子である。
これにより妙に媚びてるその撫子の様を現した名称となっている。

カチューシャで前髪を上げ、露出度の高いキャミソールを身につけていたが…。
何故か今撫子が彼女を見つけた時は七百一中学校の制服姿であった。
おと撫子は制服で召喚されたので、媚び撫子が奪い取ったと思われたが…?

なお、周囲の認識を操る能力を持つ。
これにより、今撫子にはできなかった「クラスメイトに溶け込む」という状況を難なく作り出している。
個人的には性格も能力も一番まともと思う。

なお、媚び撫子という名前は気に入ってない模様。

逆撫子

逆撫子とはクチナワさんのせいにして「ああん!?」とか暴言を言う撫子である。
この状態で囮物語にて、クラスで暴れ狂ったのが原因で現在不登校である。
特に当時着てなかったが、他の式神とのキャラ付けで浴衣姿である。
また、斧乃木余接の天敵である月火に前髪をバッサリやられた直後なので、前髪が異様に短い。
元ネタは逆なでである。

特殊能力は身体能力強化という単純なものだが、シンプル故に強い。
勝手に阿良々木家のドアを破壊し、侵入した逆撫子は彫刻刀で家を傷つけることに成功した。
しかし、今撫子の頭脳プレイにより撃沈した。

なお、彫刻刀はおと撫子の持ち物であり奪い取ったと思われていたが…?

神撫子

囮物語のラストで神となった撫子。髪が蛇でメドューサみたいになってる。
また、恋物語にて、阿良々木暦と忍を半殺しにし、戦場ヶ原ひたぎに喧嘩を売り、貝木に敗北した神様である。
そんなヤベーやつを式神にするなと言いたいが、してしまったものはしゃーない。切り替えてけ。
名前は言うまでもなく、神となった撫子を指している。

その戦闘力はやはり衰えることを知らない。
この小説でも、圧倒的戦闘力を誇るはずの余接があっけなくバラバラにされてしまった。
どうやら、本屋にいることは判明したが、そこに居たのは100体のド変態な撫子で…!?

なお、戦闘力はぶっちぎりで別漫画に居たほうがいいくらいの強さだが、おつむの方はかなり緩くなっている。
そこが彼女の敗北に繋がったのである。

クール撫子

クールな撫子というわけではない。
スクール水着を着ている撫子である。
この格好をしているのは神原駿河による性癖が爆発した「なでこスネーク」時のおと撫子かと思われた。

神撫子の囮として本棚に始末されたが…?

ルマ撫子

本屋さんに現れた、ぼーっとしてるNPCのような撫子。
なんとブルマに上半身裸の痴女である。
しかも100体いる。
これにより、これはアニメ化不可能だと撫子と斧乃木余接に判断された。だが、するらしい。どうする気なのか。

神原駿河のもとに変態中学生がいると報告され、老倉育には撫子が壮絶なイジメに合ってると覆われた要因でもある。
神撫子の超パゥワーにより作り出されたが、式神が式神を作っているので単純な命令しか受け付けない。

おと撫子

始まりの撫子である。
大人のアダルトな撫子という意味ではなく、おとなしいから「おと撫子」である。
つまり、化物語こと「なでこスネイク」の撫子で前髪が長い。
撫子と言えば大体の人がこの形態を思い浮かべる、恋愛サーキュレーションとか歌ってた頃の撫子である。
服装は七百一中学の制服となっており、ますますあの撫子である。

全式神にて最弱。しかも内気で直ぐ逃げる。
とるに足らない撫子だと思われていた。

式神に服や万年筆を奪われ、挙句の果てには囮に使われ始末されてしまった。
挙句の果てにはブルマに上半身裸、さらにはスクール水着にされたり非常にひどい目にあってる最弱の撫子である。
…と思われていたが…?

彼女こそが、化物語やってた当初からこう呼ばれていたのである。

『ラスボス』であると…。

千石撫子と愉快な仲間たち

斧乃木余接

現在は阿良々木家で月火の監視をしており、ストレスフルマッハで感情が芽生えかねない死体人形である童女。
撫子とは月火が頭おかしいせいで、愚物語で撫子に協力させて以来の親友である。
未だに撫子の部屋に入り浸っている余接は漫画のデッサンモデルとかしてくれているのである。

月火の愚痴に付き合ってくれるので、全然構わないらしい。
どんだけ愚痴が溜まっているのか、精神状態を撫子に心配されるほどである。

うっかり、撫子に撫子をいっぱい作って漫画の修行をしようというわけのわからない提案をしたのが運の尽きだった。
あまりにも撫子が有能だったため、4体の式神撫子を追う羽目になってしまった。
そして、神撫子にバラバラにされていたが…?

忍野扇

媚び撫子を追いつめるための協力をしてくれた。
姿は女子の扇ではなく、神原駿河の怪異となった男子高生バージョンの忍野扇である。

媚び撫子を捕獲するため、警報機を鳴らして撫子を助けたが、神原駿河に秒でバレてしまい問い詰められることになる。
最終的に、誰かからフォルクスワーゲンをかっぱらってきて撫子をラスボスのもとに送り届ける役割を、本来はいつもやってる役割の人のかわりに果たすこととなる。

しかし、何を勘違いしたのか、戦場ヶ原ひたぎをラスボスだと思っていた。
戦場ヶ原ひたぎと決着をつけさせるために、そしてアパートに火をつけさせるために彼女の家まで送り届けてくれた。
その際の今撫子のセリフである。

ぜんぜんちげーよ、ああん!ここじゃねえよ!どこだよここは!

アパートに火をつけるとか、そんなことする奴がいるわけねーだろ!俺様のことをなんだと思ってんだ!?

そんな察しの悪さで、なぜしたり顔で颯爽と登場しやがった!

てめえを轢くからクルマを降りろ、それが嫌なら今すぐ、直江津高校に向かえ!直江津高校の正門前だ!

(引用元:西尾維新著『撫物語』(講談社))

逆撫子は千石撫子の中に確かに存在するらしい。

阿良々木月火

撫子の部屋に通い、漫画執筆を手伝ってくれる友達である。
その際に、ちょっとやらせてみたら即撫子を追い抜きそうな圧倒的な画力を誇っていたらしい。
なお、斧乃木余接の天敵であり、余接は口を開けば月火のせいにするくらい月火に愚痴が溜まっている。

阿良々木家を逆撫子が襲来し、破壊したが、瞬時に撫子がやったと見抜き、親に言い訳してくれた。

親友の撫子ちゃんがなんか不法侵入して好き勝手したけど、私が怒っておくから大丈夫!と何が大丈夫かわからない言い訳だったのでオワタ。

老倉育

公園で、大学をサボっていた。阿良々木暦や羽川翼、戦場ヶ原ひたぎの同級生のメンヘラ。
公園で読書しようとしたら、子供の頃会ったことがある知り合いが、謎のブルマとかいう衣類を身に着け、しかも上半身裸でそこに居たのである。
焦りまくった育は、声をかけるがダッシュで逃げられてしまった。

撫子とは昔阿良々木家で出会っただけの関わりだったが、育は撫子のことをよく覚えていたのである。
撫子は老倉育がめずらしく心を許している登場人物と言えるだろう。

その後、おと撫子を捜索していた今撫子と出会う。
その際にイジメがあるなら相談しろと言われるが、撫子のファインプレーにより、ブルマに上半身裸は、撫子のド変態な趣味であることになってしまう。
ド変態なイメージはついたが、そんなド変態な趣味までできるほどに撫子が変わったことがうれしい育お姉ちゃんなのだった。

神原駿河

今撫子と忍野扇が中学校でやらかした際に、速攻で電話かけてきた直江津高校3年生。
扇はごまかしていたが、まったくごまかせていなかった。
しかし、撫子が電話に出ると、撫子が元気そうでちょっとうれしそうな神原駿河さんなのだった。

なお、ひきこもり不登校の撫子が自分のクラスが何組か知らないのに、神原駿河は知ってたらしく、ストーカーなんじゃねーのかと心配する撫子なのだった。

戦場ヶ原ひたぎ

恋物語にて最高に敵対した神撫子の宿敵である。
しかし、今撫子にとっては、マジスマンと言わざるを得ない恐ろしい人物であった。

逆撫子を始末した際に、阿良々木家に電話が鳴り響いた。
その際に、うっかり「はい!千石撫子です!」とか言ってしまった今撫子。
あまりにも混乱した撫子だったが、電話の先でも混乱していた。

電話の主は戦場ヶ原ひたぎであり、なんで千石さんが阿良々木くん家におるねん!?となってしまった。
なお、撫子は電話をほっぽりなげて逃走した。

臥煙伊豆湖

無害認定となった金髪の吸血鬼よりも、むしろ神となって今無害化されてるひきこもりの中学生のほうが彼女に始末されかねないらしい。
そこで、撫子がどれほど有能なのか、臥煙伊豆湖に教えることで危機を回避しようとする斧乃木余接だったが…?
最終的には、撫子の岸辺露伴が欲しがりそうな能力よりも、撫子のジョジョキャラみたいな土壇場の冷静さと逆転する底力に魅力を感じたのである。

というわけで、死物語(下巻)に続く。

羽川翼

かつて、化物語にて直江津高校の校門前で撫子に声をかけた天使。
天使に対してすら逃走を計ったかつての自分を恥じているのが今撫子である。
だが、このことが、最後の式神を発見する手がかりの一つになる。

忍野忍

最後の最後にドーナツを持参して登場した。
撫子の前に現れた因縁があり、今となっては撫子は後ろめたすぎる金髪幼女。
阿良々木の血筋の者であれば、影に潜める設定を新たに持ち出した。
そのせいで潜まれた月火は撫子の家について速攻ベッドで爆睡した。

なお、ボコボコにされたかつての因縁は特に気にしてない。
600年生きている器のでかさを発揮する。
それどころか、撫子に自分の能力の使い方をレクチャーしてくれたのである。

かつて、「たまたま可愛くてよかったのぉ」と言われて神になった千石撫子は、今の自分もそうなのか忍に問いかけるが…?
忍の答えは「ひでーこというやつもいるもんだ。だれがそんなひどいこと言ったんだ」との回答であった。
つまり現時点の忍から見て、撫子は可愛いだけではないという評価なのである。

阿良々木家の長男の人

これは千石撫子が、彼への恋心を忘れ去り、彼よりもいい男を見つける決意表明をする物語である。
なお、撫子どころか、老倉さんですら彼の名前を誰も呼ばないのがこの小説である。
明らかにこのロリコンのことを言っているようなセリフはいっぱいある。

[audible]

千石撫子こと今撫子VS媚び撫子&逆撫子&神撫子!本物の千石撫子は誰だ!?

千石撫子最強決定戦!今撫子VS媚び撫子

馬鹿もーん、そいつが撫子だ!

(引用元:西尾維新著『撫物語』(講談社))

まず、おと撫子の情報をゲットした今撫子。
忍野扇が制服の撫子を見つけたのである。
制服で召喚したのはおと撫子しか居ないからね!ヤツは四天王にて最弱…!

しかし、あいつ普通に不登校してるってのに中学校にいるっぽい。
最悪や…!!
そして、自分のクラスに行ってみたら恐ろしい光景が…!!
三年五組の教室を覗いたときの撫子よりも目を疑った人間は、恐らくこの学校内にはいないのである。

カチューシャをつけた媚び撫子が楽しそうにクラスメイトと談笑している…!!
千石撫子としては異常事態である。
こんなことは今まで一度もなかった!

確実にどこかの分岐で成功した撫子になっている。
現実が満たされている撫子である。
漫画家の夢を追う撫子にはありえない光景なのであった。

だが、これは媚び撫子の特殊能力で、クラスメイトを操作している!
操作系能力者…!!
しかも会話がよく聞いてるとクソつまらん奴の会話になってる!

扇君の火災報知器を鳴らすファインプレーと、後を全く考えてない行動によりクラスメイトの気を引くことに成功したその瞬間。
撫子は媚び撫子を紙にすることに成功したのであった。
しかし、現在を満たせば夢なんていらないという正論を媚び撫子に言われてしまうのだった。

夢を追ってひたむきに努力とか、そんな恥ずかしいことしないでよ、恥ずかしい
(引用元:西尾維新著『撫物語』(講談社))

これでも撫子は漫画家の夢を追うことを捨てることはもう出来ないのである。
後戻りはできねえ!
そう、その後神原駿河の情報で「ブルマに上半身裸」の女子中学生が発見されたので、もう後に引けないのである。

ぎゃー!
馬鹿もーん、そいつが撫子だ!

千石撫子最強決定戦!今撫子VS逆撫子

うるせえ。お前が休め。お前だって本当は嫌々努力してんだろ? 苦しいならやめりゃいいだろうが、ああん?

(引用元:西尾維新著『撫物語』(講談社))

マジで行きたくなかったが、絶対いるだろう。
千石撫子がかつて、行きたがったが今は行きたくない場所こそ式神が居そうなのである。

阿良々木家!!

当然のようにドアが破壊されている阿良々木家がそこにはあった。
何回目だよ。
何者かが不法侵入している。
誰がって…撫子の式神以外には考えられないのである。
何回目の不法侵入だよ。警察の家だぞ。

まあ、おと撫子やろなぁ。ヤツは四天王にて最弱…!!

しかし、中に居たのは「ああん!?」とか言う撫子であった。
逆撫子…!!
武闘派の撫子は万年筆を凶器に襲いかかってきたのである。
しかも、コイツ強化系なので単純に身体能力が高い。
引きこもりの今撫子には荷が重い相手である。

こうなったら話し合いしかない。
しかし、逆撫子は「働きたくないでござる!絶対に働きたくないでござる!」の精神であった。

うるせえ、騙されるか!お前を殺して俺様は休むんだよ、ああん!?
(引用元:西尾維新著『撫物語』(講談社))

そういえば、漫画家修行のために呼び出したと初心に帰ることが出来た。
サンキュー逆撫子!

果たして撫子はどう圧倒的戦力の逆撫子を屈服させたのか!?

千石撫子最強決定戦!斧乃木余接&今撫子&媚び撫子&逆撫子VS神撫子

『例外の方が多い規則(アンリミテッド・ルールブック)』──僕はキメ顔でそう言った。あ、しまった、言っちゃった

(引用元:西尾維新著『撫物語』(講談社))

因縁しかないあの神社にこそ奴がいるはずである。
だが、正確には「居た」と過去形であった。
すでに、別行動していた斧乃木余接は「神撫子」に始末されていた。
バラバラ死体である。

まさか、こんなしょーもなさそうな話で余接が…。
こんなことなら憑物語とかで死んだほうがマシだったのである。

だが、もともと死体なのでバラバラになったくらいじゃあなんてことはないぜ。
ディオみたいに生首で喋っている。もしかしたらダイアーさんなのかもしれない。

土をこねこねして復活した満身創痍の斧乃木余接は、神撫子を追跡する手はずがあった。
右手をやつに憑けているので本屋にたどり着いた撫子と余接。
しかし、目の前に居たのはスクール水着の撫子で…!?

おと撫子のやつ…制服を取り上げられて、万年筆まで取られて、スク水にされて、囮に使われている。
なんで哀れな…。
その上、神撫子に本棚に潰されてしまった。
さらに、ブルマの撫子が100体も…!!

これは式神のくせに式神を作りまくってますねぇ。
だが、倒すしか無い。
だが、アンリミテッド・ルールブックは一発しか撃てない状況である。

あまりにも不利すぎるこの状況で、撫子が出した答えは…?
まず上の階にいる神撫子にアンリミテッド・ルールブックを決め顔でぶっ放してもらうことであった。
向こうが式神を使うならこっちも使うぜ!
手札は媚び撫子と逆撫子…。

この2人で最凶を倒すしか無い。
果たして撫子は神をどう倒したのか!?
これは神撫子の過去と撫子が決別するための物語だ!!

これは千石撫子の恋物語にして、なでこエンドである!今撫子VSおと撫子ッ!

じゃあ、もう、好きじゃないの?

(引用元:西尾維新著『撫物語』(講談社))

ついにラスボスである神を倒すことに成功した今撫子。
だが、まだ終わっていない。
裏ボスである。真の黒幕が神撫子以外に存在する…!!

送り届けてくれた扇に暴言を吐いた撫子はついに退治することになる。
それはすべての始まりの撫子…「おと撫子」であったッ!!

彼女は他の式神に利用されていたのではなかった。
今までの式神を見るに、どうにもおかしいのである。

逆撫子は神撫子に怒っていた。
万年筆を貸してくれたおと撫子を囮に利用するなんて許せねえと思っていた。

媚び撫子はムカついていた。
あれは神撫子にでも今撫子にでもない。
おと撫子に制服を交換させられて、利用されたことに気づいたので怒っていた。

神撫子は気づかなかった。
気づかないほど知能が低下していた彼女を、おと撫子が利用するのは容易かった。

つまり、おと撫子は利用されていたのではない。
一番雑魚だと思って、舐めていたのである。
こいつは、他の式神を逆に利用していた。

要するに黒幕として、全員を操っていたのはおと撫子であった。
彼女はたったひとつの目的のために、直江津高校で「あの人」に会うためだけに全員を騙していた。

だが、今撫子は告げる。「あの人」は既に卒業しており、もうここでは会えるわけ無いことを。
何もかもを終えた今の撫子だからこそ、言える終わった初恋をこび撫子に告げるが…。

じゃあ、もう、好きじゃないの?
飽きたの?忘れちゃったの?どうでもよくなっちゃったの?なくなっちゃったの?そんなつまらない未来なの?

撫子は、そんな大人になっちゃったの?

(引用元:西尾維新著『撫物語』(講談社))

一年後くらいで大人にはなってないと思うが、未来の撫子に絶望するおと撫子がそこに居たのである。
初恋に夢見るおと撫子に対して、今撫子は完全に阿良々木暦と決別する。

また私は、誰かのことを好きになるって、約束する

(引用元:西尾維新著『撫物語』(講談社))

こうして撫子の初恋は完全に終わりを告げたのであった。

撫物語「なでこドロー」のラストと感想のまとめ

これも蛇足だって思いますか?

(引用元:西尾維新著『撫物語』(講談社))

撫子のこの言葉で終わるこの撫物語ですが、オフシーズンはこれまで「愚物語」と「業物語」の蛇足感が否めなかったわけです。
終物語でもう終わったじゃないか。
続・終物語で後日談みたいになってるのに、まだやるの?ってなったわけです。

そもそも恋物語の名前が「ひたぎエンド」だったので、ここで終わった感もあった。

しかし、これは撫子の恋物語で「なでこエンド」で、千石撫子の終物語って感じでした。
これで撫子の物語は完結し、未来に歩み始めるって感じでいい締めだったんじゃないでしょうか。

成り行きから始まり、あの受け身オブ受け身だった千石撫子が自らの意思で行動的になっただけでも成長が凄まじいではないか。
全部結局自分で回収したし。
阿良々木家にまで侵入するなんて…。

完全に未練に決着をつけて未来へと歩みだしたこの物語は、式神達に約束することで約束は果たされるでしょう。
忍ともラストで和解しましたし。
っていうか結物語で果たされるんですけど。

まあ、蛇足というか、続終物語みたいなのが死物語の下巻って感じでしょうか。
多分「接物語」でも出てくるんでしょうが、こっちはサブキャラであると思いたい。

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