岸辺露伴は動かないの小説版。岸辺露伴は戯れない 「シンメトリー・ルーム」のネタバレ感想します。
岸辺露伴は戯れない【小説版】「シンメトリー・ルーム」 登場人物紹介
[rohan_two]岸辺露伴
アジの開きみたいになって死んでいた杜王通情報通信大学の学長の噂を聞きつけた漫画家。
その異常な死体への好奇心が、かつて「だが帰った」富豪村の話を思い出させる状況に直面することになる。
ただ、そのときは帰ることができたのに対し、今回は「強制」であるため、富豪村よりかなりピンチな状況になってしまう…。
岸辺露伴は動かない「富豪村」ドラマ版感想と原作との違い 2020/12/28追記2020/12/28に岸辺露伴は動かない「富豪村」の実写版がNHKで放送されました。岸辺露伴は動かないはある意味本編のジョジョより奇妙な冒険してるのでミステ[…]
土山章平
事件のあった大学校舎の海外での経験を生かした建築デザインで数年前から注目されている建設者。
岸辺露伴が大学に侵入した際に、明らかに異色の装いだった男。
髪型、装飾品、顔の配置…すべてがシンメトリーの異常な男。
今気づいたけどよく見たら名前もシンメトリーじゃねぇかッ!
やたらフランクに露伴に話しをしてきて、自分のシンメトリーへの信仰っぷりを語るが…?
唐沢徹
岸辺露伴の若き担当編集。
デジタルデバイスの利用について露伴に軽く質問したら、ものすごい勢いで説教をされてしまう。
空気が読めないかわいそうな人。
杜王通情報通信大学の学長
杜王通情報通信大学の学長。
物語が始まる前にアジの開きみたいになって校舎の5階で死亡した。
なぜアジの開きみたいになって死んでいたのか?それは5階の部屋に秘密があった。
【全てが左右対称な男】岸辺露伴は戯れない「シンメトリー・ルーム」序章のあらすじと感想。
なぜデジタルなデバイスを漫画を描くのに使用しないのか?
若手編集者の唐沢くんは岸辺露伴に言ってはいけないことを冒頭から言ってしまう。
岸辺露伴に対してパソコンが使えないんじゃあないの~?風なことを言ってしまうのは悪手中の悪手である。
実はスマホアプリまで開発している岸辺露伴。
別にそれで小金を稼ぐとかプログラマーになりたいのではなく、ただスマホを利用するのではなく実際に作ってみることの<リアリティ>を追求した結果であった。
そもそも露伴はデジタルよりも紙に書いたほうが「速い」。
それはもうめちゃくちゃ速いのだった。
音石明くんと小林玉美くんに「サインくらいSPECIAL THANX!」とドリッピング画法してしまうくらい速いんだから当然である。
完全論破に成功した、「プロ意識」を唐沢くんに見せつけた露伴は「アジの開き」状態で見つかった謎の変死体事件から<リアリティ>を見出すため杜王通情報通信大学へと向かうのだった。
しかし、そこにいたのは全てが左右対称な男。
髪型、装飾品、顔の配置…すべてがシンメトリーの異常な男。
学長のアジの開き死体事件に絶対関わってるだろコイツ。
むしろ犯人だろ!いや!犯人じゃなくても調査したい!という好奇心。
この好奇心が再び露伴を窮地に追い込むこととなる…。
【露伴さん、髪形を馬鹿にされてキレる人間の気持ちがわかってしまう】岸辺露伴は戯れない「シンメトリー・ルーム」中盤のあらすじと感想
意外にもフレンドリーなシンメトリーな男。
名前は土山章平。
露伴がくっそつまんねー校舎のデザインだな~~~!と思っていたデザイン設計者その人である。
彼は「痛み」までもシンメトリーでないと気がすまない男であった。
そのへんの学生にぶつかられたことで激昂する土山。
ぶつかられたからではなく、痛みが左右非対称になってしまうことへの激昂であった。
髪型を馬鹿にされるとキレる学生と同じくらいヤベーやつなんじゃあないかコイツ。
露伴も僕も「コイツ今までどうやって生きてきたんだよ」という感想が生まれる。
しかし、土山は生まれつきシンメトリー馬鹿というわけではなかった。
この土山がシンメトリー教こと、シンメトリー至上主義になったのは数年前からである。
ギリシャへ自分を見つめ直すための旅をしてる最中に偶然見つけた神殿。
その神殿は完璧なシンメトリー神殿であった。
そのときから土山は「アシンメトリー」をゴミだと思うようになり…シンメトリーに憧れるようになったのだッ!
しかし、土山が作った今現在露伴と土山がいる校舎はまったくシンメトリーではない。
むしろ真逆である。
学長は設備に関して配置的にアシンメトリーにしかなりえない様な設計を指示してきた。
「〈完璧にならない仕事〉に行う価値はない」そんな思想を露伴に高らかに訴える土山。
今回の校舎はどう足掻いてもシンメトリーにできない建物である為設計を適当にやってのけた土山に対して、岸辺露伴は非常に不快感を募らせる。
土山は拘りに目を向けすぎて現実の仕事に手を付けられない。
即ちコイツはただの実力不足の言い訳をしている。プロではない。そう露伴は考えた。
「シンメトリーの美」そのものは決して存在しないわけではないが、「アシンメトリー」の美しい芸術作品はこの世界に普く存在する…。
エドガー・ドガの書いたバレエの絵などがまさにそれだと切って捨てる露伴。
これは言ってはならないことを言ったな土山…。
4部の主人公に髪型をけなすのは悪手…あ。露伴だったからセーフか。
わかっちゃった!!!
絶対わかりあえない二人をチョッピリでもわからせるなんてやるなぁ土山くん。
多分結構ムカついてるけど露伴の頭に浮かんでる男を思うとチョッピリと表現せざるを得なかったんだろうなぁ!
そもそも東方仗助のサザエヘアーはシンメトリーだけどな。
【「神殿」などではなく「伏魔殿」】岸辺露伴は戯れない「シンメトリー・ルーム」終盤感想
「多目的ホール」。それが露伴が当初ここに来た目的、唯一5階にある学長が死んでいた部屋である。
この部屋はこれまでのしょーもない部屋とはわけが違い、完全なる「シンメトリー・ルーム」であった。
もはや崇拝しかない…この場所にシンメトリー神殿を建てたのだ。
そして土山は露伴を多目的ホールに閉じ込め、鍵をかけて立ち去ってしまう。
あ、あの野郎!
「夜になったら迎えに来る」とのことだが、学長の死体の一件からして絶対ヤバいと考える露伴。
そして、腕時計で時間を確認しようとしたとき「敵」が現れた!
謎のシンメトリーな薄っぺらの「手」が腕にしがみつく!マドハンドだ!
だが、俺達の露伴には「ヘブンズドアー」がある。
もう解決みたいなもんだぜ。
しかし、読もうとしても書いてある文字が左右対称の判読不能な文字ばかりのマドハンド。
さらに「岸辺露伴に攻撃できない」と書き込もうとした露伴だったが、岸の山の次の時点で襲いかかってくる謎の手。
まさかシンメトリーなのか!?シンメトリーな文字しか書けないのか!?「文」とか「糞」とか!
腕時計をしていたため左右非対称になっていた…そのために襲われたというわけである。
このままでは服が無駄におしゃれだったアシンメトリーな服が狙われるッ!
服からボタンを引きちぎり、それらを床にぶちまけてボタンのあった側に穴を空けて服装をシンメトリーにした上にはだける岸辺露伴。
さらにその過程で中心線から左右にゆっくりと開こうとされたため床の血の汚れができたのでシンメトリーにする岸辺露伴。
腕の傷もシンメトリーにする岸辺露伴。
髪型がアシンメトリーなので真ん中分けにする岸辺露伴。
めっちゃ見たいんだけど。真ん中分けでハダケてる岸辺露伴。
アニメ化してくれ~!!
露伴はブチ切れる。
こんな目に合わされたことに対してではなく、この部屋に対してである。
この『シンメトリー主義』の祭壇は、それを認めない者を矯正させるか、死へ追いやる『傲慢な美』である。
そんなものしか作ることが出来ない土山を改めて「プロじゃない」と不快感を表す露伴。
夜を待つなど露伴のプライドが許さない。
絶対に脱出してやると激昂するが「非常口」が左右にあり、片方を開けるとアシンメトリーになるため脱出不可能よッ!無駄無駄無駄無駄ァ!
さらに露伴は考えることすら許されない。
なぜなら人体がアシンメトリーだから!
土山はこのことを知っていたので全てをシンメトリーにしていたことに気づく露伴。
待つことができない!
唯一の扉もヘブンズドアーのパワーでは破壊できない!
岸辺露伴は詰んでいるのか?
しかし、露伴は唯一の打破を思いつく。
この部屋は「空気の流れ」すらもシンメトリーである。
つまりこの部屋に換気ダクトがあるという事。
M県S市杜王町は「雪の降る街」であるため、雪に対する換気口整備の為の「天井点検口」がある!
だが!位置が高すぎる!オワタ!!
脱出を試みる者に一瞬希望をチラつかせた後に絶望させるための仕掛けであることに気づく露伴…。
なんて嫌なヤツなんだ土山!
「シンメトリーの手」は最終ラウンドだッ!と言わんばかりにシンメトリーな人影へと変貌する。
そしてこの部屋に再現したのは「神殿」などではなく「伏魔殿」であることに気づく露伴。
富豪村の山の神たちは神の試練だった。敬意を試す場であり人間の傲慢を試していた。
だがこれはただの<傲慢>であり、神などではない。
中で苦しみもがき、希望をチラつかせて絶望に落として嬲り殺しにする「悪魔」の所業だった。
今度こそ露伴は詰んだと思われたが、岸辺露伴はここからが強い!
【表現者としてのプロ意識の差】岸辺露伴は戯れない「シンメトリー・ルーム」結末感想
ヘブンズドアー究極奥義!自分に書き込む!!
4部で自分の過去は「読めない」と言っていた露伴だが、ルーブル美術館のときに自分に「書くこと」はできていた!
実は冒頭のアプリを作っていたのはフラグだった。
まさかこんなところで役に立つなんて!
漫画を書くのに役に立ったのかは知らんが、窮地を脱するのに役に立ってしまった!
そう!数字はシンメトリー!!
その過程でShift-JISコードを学んでいた露伴は、2進数表記を使ってカタカナ表現してやったぞ!
こうしてかつて康一が小道で吹っ飛んだように、上へ吹っ飛んでみせた露伴は、自分に書き込んだときのヘブンズドアー!マジヤッベと自画自賛して助かったのだった。
いや、俺仕事IT噛んでるけど…こんなのあの危機的状況で絶対出ないぞ…。
岸辺露伴頭良すぎる…。
約束通り土山は校舎の5階へと上機嫌でやってくる。
生きてれば露伴はシンメトリー信者になってるだろうし、死んでたらまあええかって感じだった。
そもそもその二択外で外に出ていた岸辺露伴。
ここからお仕置きの時間である。
土山に「岸辺露伴。漫画家だ」とここで名乗る露伴に対し、同じ表現者としてシンメトリー神殿への共感を求める土山。
次々に「プロ」意識の違いを見せつけていく露伴。
もはや土山の負けである。かっこいい。
どうして岸辺露伴が外に出ているのかの回答を教える露伴先生。
空中に浮かび上がる、少年の像。
え?くそかっこいいんだけど?
果たして露伴はなんて書いたのか。
時は経ち、再び現れる唐沢くん。
「奇行へ走る天才芸術家」としてネタにならないかと言われる露伴だったが、本にしてもくそつまらんかった男。
シンメトリーを美しいと思えなくなると書き込まれた土山は建築中の建造物に放火して逮捕されてしまった。
その程度の男であったと露伴に切り捨てられたのだった。
できればアニメ化のほうがいいけど、ドラマ化でもいい。
小説以外でも見たい。
個人的には小説版の岸辺露伴は動かないの中では「くしゃがら」を超えてナンバー1に面白いと思ふ。
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