掟上今日子の挑戦状ネタバレ感想

掟上今日子の挑戦状ネタバレ感想と羽川翼の関係について考察しよう!

掟上今日子の挑戦状ネタバレ感想

Last Updated on 2024年4月18日

掟上今日子の挑戦状とは誰に向けた挑戦状なのか

今回は隠館厄介も親切守も出てこない。
出てくるのは犯人と3人の警部である。

ココに来て殺人事件が発生する。
しかし、本当に殺人事件なのか?
犯人と被害者の思惑が交差し、結末よりもその過程の供述トリックに驚かされる巻だった。

つまり、掟上今日子の挑戦状は読者絵の挑戦状なのである。
名探偵が解く前に犯人やトリックを解いてみろということだろう。

ぶっちゃけ犯人は大体わかってる。
1話は明確に犯人が出てくるが、最後に「そういうことね」となる。
2話はぶっちゃけ犯人の名前すら出てこないが、どういう人物かまでは推理できる。
3話はどう見ても犯人がわかっており、暗号の解読と、何故暗号を残したのかが肝だった。

「掟上今日子のアリバイ証言」ネタバレ感想

鯨井という男が今回の語り手にして、犯人である。
古畑任三郎のように最初から犯人がわかってるStyleですね。
彼は、何かをヤッちまったらしく、アリバイ工作のために誰かに話しかけたかったのだ。

アリバイと忘却…こんなに相性の悪いものがこの世にあるだろうかッ!
こんなに運の悪いやつがいるだろうか…あろうことに掟上今日子にカフェで声を掛けてしまったのである。
ご存知の通り、1日で記憶がリセットされる「忘却探偵」である。
そのことも知らずに、「おっ君かわぅいいね~」とばかりにビジュアルが目立ってるのでアリバイ作りに利用してしまった。

掟上今日子の備忘録でお亡くなりになった作者の推理小説について話をして盛り上がった跡、鯨井は過去に友人だった水泳選手「宇奈木」の家に行くのだった。
鯨井は、宇奈木に水泳選手としての生命を絶たれた過去を持ち絶縁状態だった。
しかし、過去には合鍵を渡されるような仲の良い友人だったのである。
仲悪いのに鍵返してもらってないのかよウナギ…。
合鍵を使って部屋に入った鯨井は、宇奈木が浴室で死亡しているのを確認し、警察に通報したのだった。

ここで一人目の警部である肘折警部のご登場である。
第一発見者である鯨井を疑うのは当然である。
聴取を開始するも、彼はアリバイがあると主張したのである。
しかし、肘折警部はスタンドも月までぶっ飛ぶほどの衝撃を受けてしまう。

すまん。その人じゃあアリバイの証明にならんのや…。
そう、肘折警部は掟上今日子のことをよくご存知であった。
どうやら、警察の間では名探偵で通っており、ビジュアルから大人気だった。
隠館厄介くんは微妙な探偵と言ってたけど警察のお墨付きであることが発覚してしまった。

そして、やっぱり今日子さんはすっかり鯨井と会っていたことを忘れていた。
だが、今日子さんは有償で事件解決に協力を行うのである。

宇奈木はの死亡時の状況は以下である。

  1. お湯を張った浴槽で死亡していた。
  2. 浴槽にはドライヤーが水没していた。
  3. そのため感電死と考えられる。
  4. ブレーカーが落ちたのでHDDレコーダーの録画が停止しており、死亡時刻は15時5分と考えられる。
  5. まったくの同時刻に、鯨井は掟上と話をしていた。

今日子さんの推理はこうである。

「空の浴槽にドライヤーの電源を入れたまま、浴槽に吊るしお湯を貯めることで水位を段々上げていくことで感電死させた」

だが、自分でノリツッコミである。
それだと音がうるさいし、呑気にお湯に使ってるウナギの説明がつかない。
どんだけボンクラだという話になってしまう。

そもそも自分が巻き込まれてる現状が思考回路ショート寸前や!と難癖をつける今日子さん。
彼女にはスイッチを切り替えるにふさわしい方法があった。
だが、寝る。

目覚めた今日子さんの推理は冴えわたっており、全てを明らかにする。
そう、この話は供述トリックであり、「殺した」と心の声ですら言ってなかったことにあったのである。
真相は如何に!?

最初の事件はアリバイ崩しが不可欠であり、アリバイは現場不在証明であった。
犯行が不可能なことを証明する方法の1つであるが…この事件は実は犯罪ではなかったのである。

全部最初から明らかになってるとみせかけて、アリバイが崩されたとき、最後は「ほーん。なるほどねぇ」となりました。

「掟上今日子の密室講義」ネタバレ感想

2つ目の事件は最初に犯人を追い詰めているところから開始される。
「記憶にございません」という犯人だが、掟上今日子さんはこう語る「記憶にないのはこちらのほうです」
これは今日子さんの忘却探偵っぷりを指してはいるが、オチにもなっているわけです。

アパレルショップ『ナースホルン』のフィッティングルームで、屋根井刺子という女性が木製のハンガーで殴られ、死亡していた。
監視カメラにも写っていない。
客も店員も大量にいるというのに白昼堂々と行われた怪事件。
推理小説とかコナン君ではよく登場するが現実では聞いたこともない「密室殺人」である。

かつて推理小説にあこがれて探偵を志しつつ、警察になった遠浅警部は何がなんだかわからなかった。
おっさんだからおしゃれな店も相まって余計わけがわからない。
しかし、そんな遠浅警部の前に掟上今日子が助手として登場するのである。

あくまで補佐の役割なので、それなりにやって帰宅しようとする今日子さん。
邪魔くせーなとか思ってたくせに、遠浅警部は今日子さんを引き止めイタリアンを奢ってでも「ヒント」を出してもらい推理を行うことに。
全然わからなーい…。

仕方ないので守銭奴の今日子さんには金で解決するしか無い。
バーをさらに奢って調査料を倍プッシュだ!

今日子さんは、そもそも犯行時間がおかしいと推理する。
被害者である屋根井は開店前に呼び出され、殺害されたのである。
防犯カメラの電源が入る前であればすでにフィッティングルーム内に、遺体を置けるやんけ!
つまりそんなことができるのは店員の誰か。

そして、フィッティングルームに誰かいるなぁと思わせるには靴を置けばいい。
店の靴を何度か差し替えるだけで複数の客が試着しているように見せかけることも可能!
これで遺体は発見できないぜ!
つまり、店員であれば靴を揃えても違和感がない。

犯人は屋根井の格好で裏口から出た。
そして、店に入り、防犯カメラにその姿を晒すことで屋根井が来店したと思わせたのだ。
その後、遺体のあるフィッティングの隣で着替えを済ませたのである。

ではフィッティングルームから出るところを誰も見てないのは何故なのか。
今日子さんのヒントは「中から外を見ることは本当に不可能か?」であった。
そして、ヒントは今日子さんにとっては未来の機能を駆使していたのである。

彼女はワイファイとクラウドを前巻同様ご存じなかった。
この機能はよく知らないので警部に確認することになったのである。
防犯カメラの映像はスマホで映すことができる。
そんなことができるのは…?

第2話は試着室に鍵がかかっていたという点で密室殺人であるが、ぶっちゃけそこはどうでもいいという密室殺人であった。
犯人が捕まったせいで、アパレルショップ『ナースホルン』に惚れた今日子さんが私事都合で文句言ってるあたりがいい性格してると思う。

「掟上今日子の暗号表」ネタバレ感想

結納坂仲人は、「縁結人」の社長だった。
同じく名前を会社名にした副社長にして親友である縁淵良寿を鈍器で殴って殺害した。
動機として、縁淵良寿は不法に入手した名簿を使用して顧客を獲得していたためである。

彼は死の間際、自らの血で床にダイイングメッセージを残す。

丸いと四角いが仲違い 逆三角形では馴れ馴れしい 直線ならば懐っこい

なるほど。わからん。いろはのいだね。

このダイイングメッセージが…ひょっとしたら金庫の暗証番号かもしれないと思ったら……万が一でも!暗証番号だっつー可能性があるのなら!この「暗号」を解かねえわけにはいかねえだろう…!

縁淵は、金庫に名簿をしまっていたのである。
25桁の金庫の暗証番号を縁淵は喋らずに絶命したのだ。
このダイイングメッセージはひょっとして金庫の暗証番号やね…?アイツ死の間際に改心しやがって…。
そう考えたのである。

だが、殺された相手にそんな都合のいいことを普通はしない。
彼はそんな単純なことに気づかず、自ら墓穴を掘ることになる。

誰もダイイングメッセージを気にしない!
ダイイングメッセージなんて推理小説の中だけなのか!
3人目の警部、鈍麻警部はまったくダイイングメッセージを気にしてなかったが、結納坂は気になってしょうがない。
そこで掟上今日子である。

結納坂は今日子にダイイングメッセージの謎を解いてもらうこととした。
彼女は暗号について長々とレクチャーし、こう語る。

「丸い(3)/と(1)/四角い(4)/が(1)/仲違い(5)/逆三角形(9)/では(2)/馴れ馴れしい(6)/直線(5)/ならば(3)/懐っこい(5)」

つまり、この暗号はゆとり世代には解けない可能性がある…!
11桁しかないのに25桁としても活用できるあの数字だった…!!

だが、そこに現れる鈍麻警部。
おまえ何やってるんだ掟上今日子ーッ!守秘義務はともかく理由(わけ)を言えーッ!

そもそも金は貰ってないので守秘義務は存在しない。
何よりもこれまでの話で守銭奴と思われた掟上今日子さんは「汚え金」なんていらないのである。

なお、本来のダイイングメッセージはむしろゆとり世代の暗号だった。
掟上今日子さんはゆとり世代ではないということですね。

この話は暗号が事件の犯人を指しているのではなく、暗号にしきりに反応するやつが犯人だという被害者のメッセージが意外性なのである。
つまり、自滅したのだ。
各仕事にアプローチしまくると見事な破滅を迎えるという教訓なのである。

掟上今日子の挑戦状から見る羽川翼の要素

ぶっちゃけるとあんまりこの巻では掟上今日子さんの正体に触れない。
触れるけど既存の情報だらけだし、明らかに前2巻のほうが触れている。無念。

強いて言うならこのあたりか。

  1. 一日ごとに記憶はリセットされても体験としてどこかに残されてるかもという遠浅警部のセリフ
    実は後続の巻で「17歳までは記憶が戻っている」「自分の名前や知り合いは覚えてない」という情報が明らかになる。
    そうなってくると「推薦文」で担架とか服を作れる技術は17歳までの記憶になるのか?
    そんな疑問は「リセットされても体験としてどこかに残されてる」というセリフで、高校卒業後の海外の体験の可能性を示唆できるのである。
  2. 作中に出てこないヒョウと黒猫が表紙にいる

羽川の怪異はブラック羽川と苛虎であり、黒猫と虎である。
黒猫はそのまんまだし、豹は苛虎だった過去から、虎から猫に近づいたようにも見える。

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