「しいちゃん、あのね」の感想

「しいちゃん、あのね」の感想(ネタバレあり)!シモネタとほっこりの空気感がすごい

「しいちゃん、あのね」の感想

Last Updated on 2024年4月18日

「しいちゃん、あのね」はクレヨンしんちゃんの初期を思い出させてくれる

子供の頃クレヨンしんちゃん(原作)を見てて意味不明だったシーンが有る。
今見るとふふってなるシーンだが、プロセスごっこやら、コンドームをガムと間違えて食ってるシーンである。

クレヨンしんちゃんの原作マンガは1990年8月、アクション仮面からもわかるように、双葉社の『漫画アクション』で連載開始されたわけです。
そしてこの雑誌は青年誌である。
つまり、今や子供アニメの代名詞だが、大人向けマンガでセクロスを発見したりするギリギリ崖の上行くような展開が繰り広げられていたのだ。

小学生の僕が見てもなにしてんのかわからないので、幼児のしんのすけが見ても何がなんだかわからないだろう。
現在では幼児の子供がいる身分なのであのシーンの恐ろしさが言葉でなく心で理解できてしまうわけです。
お、おそろしいことやで…こいつは~~。

今回感想を書く「しいちゃん、あのね」というマンガは、まさにクレヨンしんちゃんの大人向けだったような部分に全振りしてるようなマンガである。
絵柄から育児に切磋琢磨してるとか、よつばとみたいなマンガなんだと思ったら大間違いだ。
超弩級のドシモネタ漫画であることを前提に感想を書くしかないですね!

「しいちゃん、あのね」のオチは大体ぱぱとままの夜の営みへの乱入

明らかに家族がほのぼのと休日はピクニックとかしてる漫画だと思ったら、全然違った。
まず、家庭内の話では「オチ」は7割くらい決まっている。

パパとママが夜の営みを開始しようとしているところが始まったら、もう読み進めていくとオチが見えてしまうのである。
だって毎回乱入してくるし、対面座位がお好みでどうたらとか幼稚園で言いふらされるのを危惧しているレベルなのである。

もうママはエロすぎるし、パパはいつもの優しい眼鏡ではなく激しい眼鏡になっている。
ふたりともいいカラダしてやがる(ゴクリ)となった瞬間に「いる」のである。
ほぼ間違いなくいる。娘が。
下手したら突撃してくるし、プロレスごっこに混ぜろとか言ってくるし、寝る前に二人で運動して寝付きやすくしてズルイとかわけのわからないことを言ってくる。

これが大学生くらいの頃ならただ笑えるが、今見ると笑えると同時に恐怖を覚えるね。
子供が毎回突撃してくるのに諦めないこの2人の精神力がかなり立派と言えるだろう。

しいちゃん、あのねの主人公「しいちゃん」の名前の恐るべき由来

そもそも娘の名前は「しい」ちゃんなのだが。
なんだ「しい」って、珍しい名前すぎるだろ。
普通漫画といえどもそんな名前つけるかなぁ。

だが、名字が「中田」であればどうだろう。
もう一瞬で理解できてしまうのである。
恐ろしい作者だなこの作者…普通主人公につけないだろ…。
とってもラッキーマンのキャラを上回っている。

しいちゃんのママも名字について、こう静かにブチギレている。
「なかだ」ではない。「なかた」であると…!!

「なかたしいちゃん」であり、決して「なかだしいちゃん」ではないのだ。勘違いしないでよね!このエッチ!

しいちゃん、あのねの登場人物紹介!名前がシモネタ多い

しいちゃんの名前の由来がわかったところで雑な登場人物紹介を書きます。

中田 しい

ことり幼稚園に通う5才児。
ぱぱとままの夫婦の営みをしている最中に乱入してくる危険人物である。
もうなんか最後の方ちょっと理解してるんじゃねーのかってくらい乱入してる。
ラブホテルという謎の施設や、電気アンマというままが謎に大事にしているモノに興味津々である。
ただのマッサージ機がなんだというのか。ただちょっと使用頻度が高いだけなのである。

ぱぱ

穏やかな理想の父親像のような優しいしいちゃんの父である。
しかし、夜の営みになると、伝説の戦闘民族なんとか野菜じんみたいに豹変する。
恐ろしく良いからだをしている。ウホッ

なお、下着メーカーに勤めており、静かなるドンのような精力を放出させる。
割とママにあげてたりするので、幼稚園で「あの奥さんマジデカ」みたいな反応をされたりする。

まま

巨乳である。
しいちゃんに大掃除と扮しておもちゃを捨てさせようとしたが、自分のおもちゃは捨てれないというほどのエロさを持つ。
でもままとしてもかなりちゃんとしている。
でも夜は非常に好戦的である。

ジョン

中田しいが飼っている犬である。
問題はイマジナリーフレンドというかイマジナリードッグなことだけである。
心が汚れている僕のような大人には首輪を持っているだけにしか見えない。

初田 純子

「うぶた じゅんこ」という名前からもうぶである。
ほっぺがアンパンマン並みに赤い◯がついていることが特徴のしいちゃんお幼稚園の先生である。
多分、クレヨンしんちゃんの吉永先生ポジション

小俣 緩美

おまた ひろみという名からもわかるように、おまた関係で数々の修羅場を潜り抜けて来た歴戦の猛者である。
一言で言えばナンパされたら、一回だけを繰り返していつの間にか最後までいっちゃって、これって付き合ってるのよね!?と突き合いながら言うレベルである。
現在では不倫をしていままと同レベルの巨乳の幼稚園の先生である。
多分、クレヨンしんちゃんの松坂先生ポジション

近藤 むつみ

「こんどう むつみ」という名前からわかるようにやりたい放題である。
「なかた しい」の親友だが、名前が相反しているではないか!
なお、やばめなドラマに夢中なお年頃で「女子会ごっこ」というマニアックな遊びをしている。

むつみのお兄ちゃん

しいちゃんのままが子作りをしていることを知り、興奮してベッドにダイブして興奮している中学生である。
エロ本をその辺に捨てたら自分の机に戻ってくるスタンド能力を持つ。

慧鬽瑠

しいちゃんのクラスメイトで明らかに名付け親からも本ヤンの親を持つとしか思えない男児。
ラブホテルなどの幼稚園児が知ってはいけない単語を何故かしっているが、生まれてくる子供を楽しみに待ってるかわいい一面もある。

幸子

慧鬽瑠の姉である。
しいちゃんからはソフトクリーム屋でバイトをしていることと、黒ギャルであることから「うんこのおねえさん」という不名誉な称号を与えられている。
何故か弟に対してめちゃくちゃ普通な名前である。

そふぃ

しいちゃんと同じ幼稚園に通うが、この年にしてすでに将来魔性を身にまとう風格十分である。

後藤 タカシ

この漫画で一番まともなしいちゃんと同じ幼稚園に通う男児

タカシのママ

噂好きの典型的なアレなおばさん。
しいちゃんが電気アンマを眺めていたところを目撃し、全てを察してしまい、しいちゃんのままが知らないところで大ピンチになる。

「しいちゃん、あのね」はほっこりと下ネタとアナルおじさんが合わさる居心地良さを感じれる

ここまでなんというシモネタ漫画だ…!!
ということはわかっただろうが、それだけではない。

この漫画は「下ネタ」と「ほっこり」という対象的なもの。
今のジャンプで言えば「呪術廻戦」と「アオのハコ」がドッキングされたような感じである。
混ぜちゃ駄目なものが混ざっていることで逆に居心地がいい空間を生み出している。
天才か…!!

大人の情事に対する純粋無垢な感想が独特の空気感を生み出している。

パパとママだけではなく、モブキャラにも当然生み出している。
しいちゃんが賞状を街中のモブ共に配ってやる回では、子供のその発送にほっこりさせられる。
それと同時に風俗嬢が何故かだるそうにタバコ吸ってて、常連の客、「アナルおじさん」から指名が入るのである。

ほっこりをぶちこわす「アナルおじさん」という単語…!!
純粋無垢なしいちゃんが賞状を配る話に突如現れたアナルおじさん!!
こいつはやべーぜ…!!

しかし、空気感はぶち壊されていない。
アナルおじさんによりなお、この漫画の空気感は居心地いいものと変わるのだ!!サンキューアナルおじ!
なお、アナルおじさんのビジュアルは出てこない。

「しいちゃん、あのね」の好きな回感想!全てが最終回に繋がるのだ!

「しいちゃん、あのね」は全5巻なので非常に揃えやすい。
大体1話完結なので読みやすい。
とりあえず各々の巻で印象に残ってる回だけざっくりあらすじ感想を書いてみます。

なお、最終話でこの漫画のタイトルの意味がわかりますが、なんかちょっといい感じの話になってます。
続きも見たいけど、キリがよすぎる終わり方でした。
これまでの話がこの最終回に繋がっていると思うと感無量なわけですね!

「しいちゃん、あのね」1巻3話のあらすじ感想!「アクメです」は流行語大賞にしよう

ある日しいちゃんはプリキュアみたいな奴が巨悪である「アクメです」を倒すステッキのCMを見てしまう。
「アクメです」を倒したいしいちゃんはステッキをねだるが…駄目…!!
仕方ないので布団たたきとか箒を代わりに使用するがままに怒られてしまった。

そして、大人の情事を始めようとするぱぱとままだが、今日はアレを使うしかない!
だが、アレこと、電気アンマはアクメですを倒すためにしいちゃんがステッキにしてしまっていた。
このままではアクメですができないぱぱとままは、しいちゃんから取り返そうとするが、布団たたきとかと違って邪魔してないのに奪われることに納得行かねえ!

しいちゃんVSアクメですの戦いが今始まろうとしていた…!

「しいちゃん、あのね」1巻4話のあらすじ感想!「栗とリスの冒険」という汚れた人間あぶり出し劇

保護者たちの間でざわついていた。
あの劇本当に大丈夫なのか?
しかし、子どもたちは一生懸命練習している!それを見守るのが大人の役目なのだ!

ままが余計なことを言ったおかげで、近代史に残る恐るべき劇が幕を開ける…!!
その名も「栗とリスの冒険」

無邪気に栗とリスの冒険を連呼する子どもたち。
それを見て押し黙る大人たち。
あまりのカオスっぷりに笑うしかない…。

まあ、たしかに幼児はそんな単語知らないのである。

「しいちゃん、あのね」2巻27話のあらすじ感想!「いいのよ」という言葉

いろんな「いいのよ」がある回である。
ゴキブリを鬼の形相で始末するままを見たしいちゃんは、セミをぶち殺そうとしてしまう。
ままに止められるしいちゃんだが、ままもゴキブリ始末しとるやんけと不満なのである。

だが、「ゴキブリはいいのよ」である。

夜遅くに暴れているのもぱぱとままは「お、大人ならいいのよ」
日傘は「子供はいーの」
男子学生が熱いから上半身裸になるのも「男の子はいいのよ」
ちゅっちゅしてる外国のカップルも「そういう文化圏はいいの」

子供視点だと確かに納得が行かない「いいのよ」である。

ただ、最後にしいちゃんがカレーを食ってるときに、テレビで飢餓で食べれない子供について放送していた。
食べるのをやめるしいちゃんだが、ママは「しいちゃんはいいのよ」と優しいような切ないようななんとも言えない顔で言うのだった。

この最後のシーンが無駄になんとも言えない気分にさせられるのである。

「しいちゃん、あのね」3巻58話のあらすじ感想!「いいのよ」という言葉

ある日、しいちゃんのものまね大会が開催された。
化粧をしてシミを気にするしいちゃんのものまねを即答するぱぱ。
しかし、ままに見られておりガンつけられる始末であった。

さらにものまねは続き、丸めた座布団に腰をふるしいちゃん。
焦るままだが、近所の犬がしいちゃんがこけたときに腰振ってきたときの真似だった。
あの犬オスだったんだ…としかいいようがない。

さらに怖い目で興奮しながら鼻息荒く、ガン見してくるものまねをするしいちゃんだが…?
その答えは時々ままと入ってるときに風呂を覗いてくるおじさんだった。

おじさんは逮捕された。

「しいちゃん、あのね」4巻69話のあらすじ感想!なんでもない幼少期の日常の深さ

この回だけ以上に他と別格でオチがないし、下ネタもないのにすごく好きな回である。
ただ夏祭りに行ったら、すでに終わっていておっさんのカラオケ大会という残念な回になっていた回である。
その後、しいちゃん達は外でご飯を食べる。

ただ、ママがビールを珍しく頼み、テレビで野球やっていて、ラーメン食っただけで終わる。
でも、ナレーションで「何十年経っても「おまつり」と聞けば何故かこの夏の日を思い出すことになる」のである。

なんてことない幼少期の思い出が何故か唐突に思い出されることってあるよね。
なんか異質すぎてこの回すごい好き。

「しいちゃん、あのね」5巻97話のあらすじ感想!パパの気持ちで泣いた

ある日パパはしいちゃんが歌っていたリラックマのぱくりのゴラックマの歌を歌わないことに気づく。
かつて透明人間になったと思っているしいちゃんを透明と思わされる演技をさせられたが、そんなものはない。
イマジナリードッグのジョンもそんな犬はいない。
ゴラックマに人が入ってるし、サンタもいない。

前話までアホだったのに急に大人になってしまった…。
しかし、それはぱぱの夢オチだった。
何故か聖飢魔IIみたいな顔に落書きされているパパは思った。

誰しもいつかは大人になる。これは悲しいことではない。と。

落書きで怒ってない、むしろ嬉しいらしいパパだが、顔が怖すぎてママとしいちゃんはドン引きなのだった。

幼児が今家にいるからすごいわかる。
嬉しいんだけど悲しいよね。

最終回に向かってしいちゃんがおとなに近づいていることを思わせてくれました。